小泉です。
スポーツパフォーマンスの向上にはスキル練習だけでなく、土台となる運動能力(フィジカル)の強化も大事になります。
フィジカルなしには技術の向上が頭打ちになるか、ケガのリスクが高まるという問題がでてしまうからです。
この記事では、ゴルフの飛距離アップされたお客様のトレーニングを例にしながら、運動能力の向上についてお話ししていきます。
スィング動作は腰を回してはいけない!?
レッスンプロの先生に「腰を回すように」とスィング指導をされる方が多くいらっしゃいますが、表現としては正しくないと考えています。
もちろん、レッスンプロの先生の意図があってのことでしょうが、その意図が伝わらないと誤解を招いてしまうからです。
関節にはそれぞれに役割があります。

腰椎は曲げたり伸ばしたりといった動きは得意ですが、回旋可動域は腰椎すべて合わせても13度ほどしかありません。
分節ごとにみれば2度ほどしかなく、回旋には適さないことがわかります。
スィングの支点を腰にすることで、体幹をツイストしてしまい、それがスライスしてしまう原因になるのです。
右打ちであれば、ほとんどが右にスライスしてしまいます。
そのため、腰椎ではなく腰椎を回旋させる方が、パフォーマンスアップにはつながります。

ほかにも、肋骨や肩甲骨も含め、胸郭としてユニットで考えていくことが必要です。
腰の回転はスライスの原因に!?

写真左が、胸郭の可動性のテスト。
腰の回旋を意識している人ほど、このテストで引っかかる人が多いです。

図はジョイントバイジョイントアプローチ。
赤いところが安定性がメイン、青いところが可動性がメイン。
胸椎は可動性、腰椎は安定性が必要なことがわかります。
これが逆転している人が多く、これがスライスの原因の1つとなります。
そのため、まずは胸椎の可動性と腰椎の安定性を高めるエクササイズを行います。
下半身に強化の前に・・・
レッスンプロの先生に言われたからでしょうが、下半身の強化を課題にトレーニングに訪れる人も多くいらっしゃいます。
ところで、下半身強化はどこをトレーニングするのか?
大多数の人は太ももをあげますが、個人的にはお尻(大臀筋)を強化するべきと考えています。
クルマに例えると、お尻はアクセルで太ももはブレーキ。
膝ではなく股関節を使えるようにするべきなのです。
話しは戻りますが・・・

図はジョイントバイジョイントアプローチ。
赤いところが安定性がメイン、青いところが可動性がメイン。
膝は安定性がメイン、股関節は可動性がメイン。
ほとんどの人が股関節が使えていません。

図はジムによくある、太ももを鍛えるレッグエクステンションというマシン。
みてもらうとわかりますが、膝メインの動きになります。
鍛えることは悪いとは言いませんが、飛距離アップにはつながりにくい。
股関節の回旋可動域は?
下半身強化で股関節を使うエクササイズと言えば、スクワットが代表でしょう。
ベースになる筋力アップには、すごく効果的です。

これが、まず1階部分の強化。
ここで終わってしまうと、スキルにつなげるべき2階部分の強化が抜けてしまいます。
筋力がスキルにつながらない。
スペスフィックとは、ゴルフに近い動作をトレーニングすること。
ゴルフは回旋がメインのスポーツなので、直線的な動作がメインのスクワットだけでは不十分と考えています。
そのため、回旋動作を取り入れたローテーションスクワットも行っています。
先日、YOUTUBEでみていたら、「ヒップターン」というのがローテーションスクワットに近い動きです。
スクワットは両側性の動きですが、ゴルフは片側性の動き。
両足でできるから片足でもできるかというと、そんな単純ではありません。
ヒップターンについての動画はすごくわかりやすいと思ったので、ぜひ参照してみてください。
まとめ
ゴルフの飛距離アップには、ゴルフ場での練習以外にジムでのトレーニングも必要不可欠です。
レッスンプロの先生と、トレーナーでは目指すゴールは同じでも、アプローチ方法が違います。
そのため、
「レッスンプロの先生に言われたことが腑に落ちました。」
と言う方も少なくありません。
「もっと早くにこういうトレーニングを知りたかった」
と言う方も。
ゴルフ飛距離アップには、まずゴルフ練習が不可欠です。
もしそれがうまくいかないときには、ジムで行う基礎的なトレーニングにも目を向けてみてください。
課題を克服するためのヒントが見つかりますよ^^
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足利市でパーソナルジムをしています。
2006年からトレーナーを始めて、これまでの指導人数は1000人以上。
フィットネス人口の裾野を広げるべく、主に運動が苦手な方を中心に指導。誰もが健康な人生を謳歌できる世の中にしたい。
そのために運動が苦手な人でもできる、エクササイズやダイエットについて発信しています。
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