トレーナーとして活動していた私は、実際に1年間ストレッチ専門店に通って効果を検証しました。
高校時代の腰痛がきっかけ
私がストレッチに興味を持ったのは、高校時代の腰痛がきっかけです。
ある日、歩くのもつらいほどの腰痛になり、日常生活にも支障が出るようになりました。医師からは「治らないかもしれない」と言われ、不安を感じたことを今でも覚えています。
さらに医師から「好きなサッカーも続けるのは難しいかもしれない」と言われました。
高校生活はサッカーに打ち込むつもりで学校を選んでいたこともあり、その言葉は大きなショックでした。
「このままでは終われない。何とかしたい」
そう思い、自分の身体について調べ、さまざまな方法を試すようになりました。
マッサージ体験で気づいたこと
当時、腰痛を改善したくてマッサージにも通いました。しかし施術はとても痛く、終わった後も体が良くなった実感はほとんどありませんでした。
ある日、施術を担当した方に「君みたいに体が硬い人が朝一番に来ると疲れちゃうよ」と冗談まじりに言われたこともあります。その言葉に少しショックを受け、「マッサージだけでは改善しないのかもしれない」と感じました。
ストレッチ専門店に1年間通った理由
トレーナーとして活動していた2008年頃、ストレッチ専門店というサービスが少しずつ広まり始めていました。当時、マンツーマンでストレッチを受けられる施設はまだ珍しく、興味を持ったのを覚えています。
トレーニング業界では加圧トレーニングがブームになっており、多くのジムがその流れに乗っていました。私自身も「新しい知識や武器を身につけたい」と思い、勉強の意味も込めてストレッチ専門店に通うことにしました。
そこで受けたのは30分間のマンツーマンストレッチ。内容は約30種類のストレッチで、基本は決められた手順に沿うマニュアル形式でした。
1年通った結果
正直に言うと、体が劇的に柔らかくなったわけではありません。柔軟性は少し変化したかもしれませんが、「体が大きく変わった」という実感はほとんどありませんでした。
ただ一つ変化がありました。それは腰痛が再発しなくなったことです。体は特別柔らかくはなりませんでしたが、大きな腰痛を繰り返すことはありませんでした。
この経験から「体の状態は単純に柔らかい・硬いだけでは説明できないのではないか」と感じるようになりました。
身体は柔らかければいいわけではない
ストレッチを学ぶ中で、もう一つ気づいたことがあります。身体が柔らかいこと=健康、ではないということです。
現場でも、柔軟性が高いのに肩こりや腰痛を抱えている方は少なくありません。運動指導の現場では、体が柔らかいインストラクターでも慢性的な疲労や不調を感じているケースがあります。
つまり身体は「硬いか柔らかいか」だけで判断できるものではないのです。
ストレッチだけでは身体は変わらない理由
後年、トレーナーとして多くの方の身体を見ていく中で、体の硬さにはさまざまな要因が関係していることが分かりました。
- 姿勢
- 筋力バランス
- 呼吸
- 生活習慣
- ストレス
これらの要素が組み合わさることで、身体の状態は変わります。そのため、ストレッチだけを行っても根本的な原因が変わらなければ、体の状態は大きく変化しない場合があります。
現在の指導に活かしていること
ストレッチ専門店で学んだことは、現在の指導にも活きています。ただし、マニュアル通りのストレッチだけを行うのではなく、その人の体の状態に合わせたアプローチを大切にしています。
例えばこんな感じ。
体が硬い人もいれば、逆に柔らかすぎる人もいます。姿勢や筋力、生活習慣も一人ひとり違います。そのため現在は、身体の一部分だけを見るのではなく、全体を整えるホリスティックな視点で体を見ていくことを大切にしています。
身体は「硬いか柔らかいか」だけで判断できるものではありません。大切なのは、柔軟性・筋力・姿勢などがバランスよく整っていることです。
ストレッチ専門店での経験は、現在のトレーニング指導の考え方にも大きく影響しています。

