「パーソナルトレーニングで体重を増やしたい」
「筋トレをしているのに、なかなか体重が増えない」
「太りたいけど、脂肪だけではなく筋肉も増やしたい」
そんな方に向けて、今回は私自身が実際に体重を増やしたときの経験を書いていきます。
私は17年間、パーソナルトレーナーとして仕事をしてきました。
トレーナーというと、「ダイエット」「減量」「痩せるためのトレーニング」というイメージが強いかもしれません。
もちろん、これまで減量を指導した経験もあります。
実際、パーソナルジムを退職した後には、私自身が14kgのダイエットも経験しました。
しかし、私にはもう一つ、かなり特殊な経験があります。
自分自身が、増量を経験していることです。
パーソナルジムに社員トレーナーとして入社した当時、社員研修の一環として「肉体改造」がありました。
その内容は、なんと体重を10kg増やすこと。
当時、一世を風靡したK-1選手も取り組んでいた方法で、肉体改造後に活躍した選手や、ベルトを獲得した選手もいました。
お客様に肉体改造を指導する以上、まずは自分自身が体験してみる。
それが、この研修の目的でした。
結果として、私は61kgだった体重を71kgまで増やしました。
久しぶりに会った友人からは、
「顔とカラダが合ってない」
と言われるくらい、見た目も大きく変わりました。
この記事では、かなり極端な研修だったことを前提に、パーソナルトレーニングで増量した私自身の実体験を紹介します。
なお、ここで紹介する方法を、そのまま現在のお客様におすすめしているわけではありません。
むしろ、実際に自分でやってみたからこそ、
- これはおすすめできる
- これはやりすぎ
という判断ができるようになりました。
パーソナルトレーニングで増量するなら「筋トレ+食事」が基本
増量の基本は、シンプルに考えれば筋トレと食事です。
筋肉だけを増やして体重を増やせれば理想的です。
しかし、私自身が経験して感じたのは、細身の人が短期間で体重を増やすのは、思っている以上に難しいということです。
特に、もともと体重が少ない人の場合、
「筋トレをして、タンパク質を摂っていれば自然に体重が増える」
とは限りません。
最初は体重が一気に増えることがあります。
ところが、しばらくすると停滞する。
さらに、食事量が少し減っただけで、体重が戻ってしまうこともあります。
理論上は「消費カロリーより摂取カロリーを増やせば体重は増える」と説明できます。
もちろん、それは基本的にはその通りです。
ただ、実際に自分でやってみると、
「食べれば増える」ほど簡単ではない。
これが私の実感でした。
不摂生をすれば、もっと簡単に体重を増やせるかもしれません。
しかし、それでは脂肪ばかり増えてしまいます。
今回の研修では、あくまでも筋肉をメインに体重を増やすことが目的でした。
そのため、とにかく食べて、筋トレをする。
そして体重の変化を見ながら、食事量やトレーニング量を調整していきました。
パーソナルトレーニングで10kg増量した食事
研修当時は、
「炭水化物:タンパク質=2:1」
という考え方を教えられていました。
そして、とにかく食べる。
これが基本でした。
今振り返っても、かなりハードな内容です。
お腹いっぱいまで食べたら、プロテインを飲む。
少し時間が経って胃が落ち着いたら、また食べる。
また満腹になるまで食べる。
これを繰り返していました。
つまり、1日中、何かを食べているような状態です。
吐きそうになる直前くらいまで食べることもありました。
通常業務と研修を並行していたため、仕事中も食事をする必要があります。
そして、実際に吐いてしまったことも何度かあります。
今考えると、これは目標体重に到達するうえでマイナスだったと思います。
食べれば食べるほどいい、というわけではありません。
胃腸の状態や睡眠、仕事への影響なども考える必要があります。
先輩トレーナーは1回で米3合
当時の先輩トレーナーからは、
「1回の食事で米3合と生卵の白身10個を食べていた」
という話も聞きました。
私も同じようにやるよう言われましたが、白身が苦手だったため、これは断念しました。
今思えば、それくらい「食べること」がトレーニングの一部になっていたということです。
実際に増量中に食べていたもの
一人暮らしだったので、食事のバリエーションはかなり少なかったです。
よく利用していたのが肉のハナマサ。
そこでササミを大量に購入し、ご飯と一緒に食べていました。
料理もシンプルです。
ササミを焼いて、タレをつけて食べる。
基本的にはこれの繰り返しでした。
さらに、ジムの近くにお弁当屋さんがあったので、1回でお弁当を2つ買って食べることもありました。
何食食べていたのか、正確には覚えていません。
ただ、「空腹にならないように食べ続ける」という感覚でした。
仕事のスキマ時間にも食べる。
ミーティング中も、何か食べていないと怒られるような環境でした。
今では考えられないような研修だったと思います。
夜中に目が覚めたときには、松屋で特盛牛丼を食べたり、プロテインを飲んだりすることもありました。
ここまでやって、ようやく体重が増えていったのです。
太りたい人ほど「食べること」が大変
増量したい人にとって、意外に大きな壁になるのが、食事量を増やすことです。
痩せたい人からすると、
「たくさん食べればいいんだから、増量のほうが簡単じゃない?」
と思うかもしれません。
しかし、実際にはそうとも限りません。
普段から食事量が少ない人が、いきなり毎日大量に食べるのは大変です。
しかも、筋肉を増やしたいのであれば、ただ高カロリーなものを食べればいいわけではありません。
脂質や糖質だけに偏れば、体重は増えても、狙ったような身体にならない可能性があります。
私自身、増量を経験して強く感じたのが、
「太ること」と「身体を大きくすること」は同じではない
ということです。
ここは、増量を考えている方には知っておいてほしいポイントです。
3週間で61kgから68kgへ増量
かなり食べて、かなりトレーニングをしました。
当時の体重は61kg。
そして、3週間後には、
61kg → 68kg
まで増えました。
約7kgの増加です。
ただし、ここで注意してほしいのが、7kgすべてが筋肉になったわけではないということです。
体重には筋肉だけでなく、水分やグリコーゲン、体脂肪、消化管の内容物なども含まれます。
短期間で体重が大きく増えたからといって、そのすべてが筋肉というわけではありません。
それでも、見た目は明らかに変わりました。
久しぶりに会った友人から、
「顔とカラダが合ってない」
と言われるほどです。
自分では毎日見ているので変化に気づきにくいのですが、久しぶりに会った人からすると、かなり大きくなっていたようです。
10kg増量するまで研修は続いた
3週間で7kg増えました。
しかし、目標は10kg。
つまり、あと3kg足りません。
そこで研修は継続することになりました。
ただし、3週間のような極端な食べ方はやめました。
期限がなくなったこともあり、
「吐く寸前まで食べる」から「腹9分くらいを維持する」
という食べ方に変えました。
すると、その後も少しずつ体重が増えていきます。
そして、1か月を過ぎたくらいで、
61kg → 71kg
となり、無事に10kg増量を達成しました。
増量は右肩上がりには増えない
増量にも減量にも共通することがあります。
それは、体重は毎日きれいに増えたり減ったりするわけではないということです。
増えたり減ったりしながら、全体として増えていきます。
いわゆる、「3歩進んで2歩下がる」という感じです。
昨日あれだけ食べたのに、翌朝体重を測ったら減っていた。
そんなことも普通にありました。
逆に、食べていないのに体重が増えることもあります。
体重は水分量や食事量、排便、運動量などにも左右されるため、1日単位の数字だけで判断するのはおすすめしません。
増量の場合も、短期的な数字より、数週間単位で体重の傾向を見ることが大切です。
10kg増量するために行った筋トレメニュー
食事だけで体重を増やしたわけではありません。
筋トレもかなりやりました。
基本は高重量を扱う筋力トレーニングです。
当時は勤務時間が長かったこともあり、仕事の空き時間はほぼ筋トレ。
60分程度のプログラムを、多いときには1日に3回行いました。
もちろん、現在の一般的なパーソナルトレーニングとして考えると、かなり極端です。
先輩トレーナーの補助を受けながら、限界まで追い込む。
それを何セットも繰り返しました。
「新人は歩いて帰れないくらいに追い込んでやれ」という話を聞いたこともあります。
実際、かなり追い込まれました。
自分一人でトレーニングしていたら、ここまでできなかったと思います。
トレーニングA
- スクワット
- レッグプレス
- レッグエクステンション
- ベンチプレス
- インクラインベンチプレス
- ペクトラルフライ
- ダンベルカール
- バーベルカール
- ローマンチェア
トレーニングB
- デッドリフト
- ランジ
- ウォーキングランジ
- ミリタリープレス
- ショルダープレス
- サイドレイズ
- バックレイズ
- ワンハンドプレス
- プレスダウン
- ロープ
- レッグレイズ
個人的には、AよりBのほうが少し楽でした。
ただ、20kgのダンベルを両手に持って、ジムをウォーキングランジで1周するのはかなりきつかったです。
営業中にはできないような種目もありました。
そして、今思えば、先輩トレーナーの「教育」だけではなく、多少の腹いせもあったのではないかと思っています(笑)。
増量と減量、実際にやってみて分かったこと
私は17年間トレーナーをやっています。
その中で、増量も減量も自分自身で経験しました。
パーソナルトレーナーという仕事をしていると、「お客様にトレーニングを教える」ことが中心になります。
しかし、自分自身が身体を変える経験をしてみると、教科書だけでは分からないことがたくさんあります。
例えば、
- 「食べるのがこんなにきついとは思わなかった」
- 「体重が思ったように増えない」
- 「頑張っているのに翌朝体重が減っている」
といった感覚です。
これは、実際に体験してみないと分かりません。
だからこそ、この研修は私にとって非常に価値のある経験でした。
増量の筋トレと減量の筋トレは何が違う?
意外に思われるかもしれませんが、私の場合、増量と減量で筋トレの内容が劇的に変わったわけではありません。
大きく違ったのは、食事です。
もちろん、減量時には有酸素運動を取り入れるなどの違いはあります。
しかし、身体を変えるうえで大きな影響を感じたのは、やはり食事でした。
私自身の経験では、
増量では食事量を増やす。
減量では食事量を減らす。
この違いが非常に大きかったです。
特に炭水化物の摂取量を変えると、体重はかなり変化しました。
ただし、「減量なら炭水化物を完全に抜く」「増量ならひたすら炭水化物を食べる」といった極端な方法を、現在の私がおすすめしているわけではありません。
当時はあくまでも社員研修として、かなり特殊な肉体改造を行っていました。
現在であれば、目的・体質・生活スタイル・トレーニング経験などを考慮して、もっと現実的で継続しやすい方法を選びます。
パーソナルトレーニングで増量するなら、無理に食べ続けなくてもいい
今回の体験談で一番伝えたいことがあります。
それは、
「体重を増やしたいなら、とにかく食べればいい」という話ではない
ということです。
私自身は、吐くほど食べました。
夜中に牛丼も食べました。
1日に何度も限界まで筋トレをしました。
しかし、これは一般の方がそのまま真似するような方法ではありません。
むしろ、自分自身が極端な方法を経験したからこそ、現在はもっと効率的で、継続できる増量方法を考えます。
例えば、
- 現在の体重と体脂肪率を確認する
- 普段の食事量を把握する
- 少しずつ摂取エネルギーを増やす
- タンパク質を確保する
- 炭水化物を適切に摂る
- 筋トレで筋肉に刺激を与える
- 体重を毎日ではなく一定期間で評価する
- 増えすぎている場合は食事量を調整する
といった方法です。
重要なのは、
「増量=暴飲暴食」ではない
ということです。
私は「減量」だけでなく「増量」も経験したトレーナーです
パーソナルトレーナーというと、ダイエットの経験をアピールする人は多いと思います。
もちろん、それも重要です。
私自身もパーソナルジムを退職した後、14kgのダイエットを経験しました。
しかし、私の場合はそれだけではありません。
61kgから71kgまで、自分自身の身体を大きくした経験もあります。
しかも、普通の増量ではありません。
社員研修として、短期間で10kg増量するという、かなり特殊な肉体改造でした。
その過程では、
- 「食べても体重が増えない」
- 「食べること自体がつらい」
- 「トレーニングをしても体重が落ちる」
- 「体重が増えても全部が筋肉ではない」
といった、増量をする人が感じるさまざまな問題を自分自身で経験しました。
だからこそ、増量したい方に対して、
「もっと食べてください」
だけで終わるのではなく、
- なぜ増えないのか?
- 何を変えればいいのか?
- どこまでやればいいのか?
を一緒に考えることができます。
【総評】体重は減らすより、増やすほうが大変だった
17年間トレーナーをやってきましたが、この肉体改造は非常に貴重な経験でした。
そして、最後に14kgのダイエットも経験したことで、個人的には、
「体重は減らすより、増やすほうが大変だった」
と感じています。
もちろん、人によって難しさは違います。
ただ、痩せ型で「何を食べても太れない」と悩んでいる人にとって、増量は決して簡単なものではありません。
筋肉を増やしながら体重を増やしたいのであれば、
食事だけでもダメ。
筋トレだけでもダメ。
そして、短期間の体重変化だけを見てもダメです。
食事・トレーニング・体重の推移をセットで考えること。
これが、私自身の増量経験から学んだことです。
私は現在、減量だけではなく、増量についても自分自身の経験を踏まえて指導しています。
「筋トレしているのに体重が増えない」
「健康的に身体を大きくしたい」
「細身体型から変わりたい」
そんな方にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
なお、この記事で紹介した社員研修の内容は、あくまで私自身が過去に経験した特殊な肉体改造です。
吐くまで食べる、1日に何度も限界まで筋トレするといった方法を、現在の一般的な増量法として推奨するものではありません。
増量を行う場合は、自分の体調や生活環境、トレーニング経験などを考慮し、無理なく継続できる方法を選ぶことをおすすめします。
この記事を書いた人
17年間パーソナルトレーナーとして活動。
ダイエット・減量だけでなく、自身も61kgから71kgまでの増量を経験。
さらに、パーソナルジム退職後には14kgのダイエットも経験しています。
「痩せる」だけではなく、「身体を大きくする」経験も踏まえ、一人ひとりの目的に合わせたトレーニングや食事についてアドバイスしています。


