仙腸関節のストレッチとトレーニング

小泉智明です。

仙腸関節とは、仙骨と腸骨をつなぐ蝶番の役割をする関節です。

身体の状態を反映しやすい関節で、機能が低下すると骨盤や股関節など全身に連鎖してしまいます。

身体全体のすべてが決まると言ってもいいくらい重要です。

締まりすぎても、緩みすぎても機能低下を起こします。

身体の総合重心点で、体重がかかり床からの反力が返ってきます。

他にも痛みを感知したり、関節を安定させる役割があります。

仙腸関節の働きは、腰や股関節とも連動します。

仙腸関節が正常に動けば、腰痛や股関節痛の改善にもつながります。

この記事では仙腸関節を、正常化させる方法について書いていきます。

仙腸関節の特徴

仙腸関節の状態は自分ではわからず、正常に動いてるかもわかりづらいです。

病院などで指摘されない限り、仙腸関節について何かをすることはないに等しい。

そこで仙腸関節に問題があるケースについて話していきます。

  • お尻~太ももの外側の痛み
  • 腰痛
  • そけい部の痛み
  • 股関節のつまり
  • あぐらや、いすに座ると痛い
  • 体重がかかると痛い

ただ自分で判断はせず、まずは病院で診察を受けることをおすすめします。

骨盤ベルトの効果

仙腸関節に問題があると、骨盤ベルトを使うことがあります。

固定して痛みに変化が出るかを確認します。

次に後方からベルトを巻いたときと、前方から巻いたときで変化が出るかをみます。

後方から巻くと痛みが減るなら、仙腸関節に問題がある可能性が高い。

前方から巻くと痛みが減るなら、組織損傷の可能性があります。

一時的にベルトに頼るのはいいですが、ずっと頼りすぎると骨盤の機能が衰えてしまうので、頃合いを見て運動を取り入れましょう。

安静にすべきか?運動すべきか?

医師の診断が最優先です。

炎症であれば安静にしてれば治りますが、運動機能に問題がある場合、痛みが引いたタイミングでエクササイズが必要になります。

運動指導してもらう機関がない場合は、ご相談ください。

仙腸関節のストレッチ

医者ではないので診断はできませんが、仙腸関節に問題があるかは判断できます。

写真はパトリックテストと言って、仙腸関節の状態を確認するテストです。

運動機能として正常に機能しているかをみていきます。

多裂筋のストレッチ

仙腸関節周辺にある、多裂筋をストレッチします。

小さな筋肉が多いので、自分でやるのは難しい。

トレーナーにストレッチしてもらいましょう。

動画は1b抑制と言って、緊張を落としています。

動きの中で意図しない収縮が起きてしまうのを防ぎます。

仙腸関節周辺は、侵害受容器と言って痛みのセンサーが多い場所。

腰痛の解消にも役立ちます。

こんな感想をいただきました。

「先生のストレッチを受けるようになってから、この1年腰痛がほとんどなくなりました。」

奥様からも、

「そう言えば、最近【腰が痛い】って言わなくなったわね。前はちょっと疲れると、すぐ腰が痛いって言ってたのに。」

多裂筋は背骨についてる筋肉で、姿勢を安定させる役割があります。

固くなると反り腰や、腰痛の原因になります。

侵害受容器という痛みのセンサーが多くあり、腰が痛いと感じる筋肉。

腰痛改善のパーソナルで、最初にストレッチする重要な筋肉です。

セルフストレッチなら、ソフトギムニックなどのミニボールやクッションを使います。

やり方は息を吐きながら、骨盤でボールを潰すように押し付けると多裂筋が緩みます。

ぜひやってみてください。

仙骨のセルフストレッチ

カエルのように脚を開いて、身体を前後に動かすストレッチ。

・股関節周り
・仙腸関節
・内転筋

スクワットや開脚がやりやすくなります。

骨盤や股関節を動かすときの引っかかりもスムーズに。

しなやかに動けるのと、ダイエットにも効果的です。

柔軟性に自信がある方でも、苦戦することが多いストレッチです。

仙骨の動きをスムーズにするストレッチです。

膝の内側が床につくくらい、脚を広げるのがポイント。

身体を前後することで、仙骨のストレッチになります。

腸骨のセルフストレッチ

バランスボールを使って、骨盤を前傾と後傾を繰り返します。

前傾では大腰筋を後傾では腹筋を使います。

骨盤の傾きで体型が決まることもあるので、前と後ろどちらにも動けるようにしましょう。

ぽっこりしたお腹周りも、必ず引き締まりますよ。

他の記事でも紹介していますが、腸骨のエクササイズになります。

仙腸関節が機能すれば、この動きがスムーズに出ます。

骨盤も前傾、後傾がうまく動かなくなります。

現状を確認するためにも、かなり効果的なエクササイズになります。

ヒップウォーク

仙腸関節を安定させるストレッチです。

長座して座り、お尻で後ろに歩いていきます。

膝が外側に開かないように注意しましょう。

仙腸関節を安定させるトレーニング

仙腸関節とつながりのある、ハムストリングス(太ももの裏側)のトレーニングを紹介します。

ヒップリフト

ハムストリングスは大きな筋肉なので、トレーニングしやすいです。

骨盤を後傾しながらリフトアップするので、内腹斜筋や腹横筋もトレーニングできます。

ハムストリングスの弱化は仙腸関節に影響するので、しっかりとトレーニングしましょう。

ステップアップ

ハムストリングスをメインにした踏み台昇降運動です。

ハムストリングスは伸筋なので、ストレッチされると機能しやすくなります。

レッグカールでもハムストリングスは鍛えられますが、筋肉を縮める動きなので機能的ではありません。

言い方が悪いですが、筋肉がついても使えない筋肉になります。

ジープレス

脊柱起立筋とハムのバランスを取ります。

この筋肉は拮抗関係にあり、骨盤の前傾と後傾にかかわる筋肉です。

骨盤矯正パーソナルトレーニング

骨盤だけでなく背骨の傾きにも関わるので、しっかりとバランスを取っておきましょう。

仙骨は温めればいいのか?

温水シャワーを当てるだけで、仙骨に効果があると言う書籍があります。

別に湯たんぽでも効果は同じでは?と思ってしまいます。

【1日30秒、シャワーをあてるだけ!】仙骨を温める方法と効果

仙骨は聖なる骨をとも言われてて、仙骨を温めればすべて解決するほど単純ではないと考えています。

少なくとも可動域は変わらないでしょうし、コンディショニングとしても不十分。

身体のゆがみのモニターになる部位ですので、他の部位の影響もあります。

指導の中では部位ごとではなく、統合的に見ていくことを行っています。

まとめ

身体の状態を反映しやすい、仙腸関節のストレッチとトレーニングについての記事でした。

正常に機能すると、骨盤や背骨や股関節など全身が連動して正常化します。

腰痛や股関節の痛みなどを改善に役立ちます。

見つけるのも苦労するくらい小さな関節ですが、つながりを考えるとすごく大事なアプローチになります。

歪みが解消して、身体が正常に働く。

トレーニング前に身体を整えると、効果が出やすくなります。

セルフでもできますので、ぜひ取り入れてみてください。

腰痛改善と再発防止に効果的ですよ。