加圧トレーニングは意味ない!?向かない人・デメリット・欠点を解説

加圧トレーニングのメリットは、短時間&低負荷で効率よくトレーニングできること。

中でも最大のメリットは、成長ホルモンがたくさん分泌することです。

疲労が溜まると乳酸値が上がり、筋肉がパンパンになります。

この状態から回復するために、成長ホルモンが分泌するのです。

成長ホルモンを出すだけなら、普通の筋トレでも分泌できます。

筋肉を疲労させるなら、筋トレ以外の運動でも可能です。

加圧トレーニングの最大のデメリットが、トレーナーによって当たりはずれがあること。

器具を使って血流を制限するのですが、貧血や失神や点状出血(内出血によるあざ)のリスクがあります。

モデル事務所の中には、加圧トレーニングを禁止してるところもあるようです。

結論を言うと、成長ホルモンだけで身体は変わらない。

成長ホルモンにこだわるなら、加圧ベルトを使わなくても分泌できるトレーニングはあります。

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この記事では、加圧トレーニングが意味がない理由、デメリットと他のトレーニングでも同じような効果が得られる点について考察していきます。

加圧トレーニング”だけ”では意味がない!?

私の周りにいるトレーナーさんも、加圧だけ指導してる人は少ないです。

筋トレも指導して、加圧も指導する方が多いです。

加圧をやらなくなった方もいます。

ハンマーを持つと、すべてが釘に見える。

偏った知識しかないと、盲目的になりがちです。

加圧トレーニングは素晴らしいトレーニングではありますが、それだけで身体が変わるわけではありません。

その理由を説明していきます。

体軸が取れない

どんなに適切な負荷で加圧しようと、それだけで体軸は取れません。

成長ホルモンが分泌する脳下垂体に機能低下があったら、それだけで加圧の効果が薄れてしまいます。

脳下垂体以外にも、ホルモン分泌にかかわる内分泌系に問題を抱えてる人は多い。

対応する筋肉も機能低下するので、その状態でトレーニングしても効果は少ないように感じます。

成長ホルモンが290倍増えるのウソ

成長ホルモンの分泌が著しく低下してた人が、加圧トレーニングにより正常値に戻った。

その差が290倍とか300倍と言われています。

成長ホルモンだけにこだわるならスロトレでも効果は同じ

加圧トレーニングの考え方を応用して考案されたのがスロートレーニング(以下スロトレ。)

加圧ベルトを巻かなくても、軽い負荷で血流を制限できるのです。

成長ホルモンを分泌させるには、乳酸値を上げること。

筋肉が疲れると、パンパンになりますよね。

その状態をつくることです。

極論言うと、階段を1段飛ばしで全力であがっても、成長ホルモンは分泌します。

私もフットサルで何度もスプリントを繰り返してるので、成長ホルモンが出てるはず。

負荷が上がるとケガのリスクが増えるので、身体への負担を減らす意味でスロトレは効果的です。

加圧トレーニングのデメリット

筋肉を増やすには、2つのアプローチが必要です。

  1. 科学的アプローチ
  2. 物理的アプローチ

加圧トレーニングには、科学的アプローチしかありません。

科学的アプローチ

成長ホルモンを分泌させるため、低酸素状態にして乳酸の蓄積を促すアプローチです。

物理的アプローチ

強い負荷を与えること。

最大筋力の80%が目安ですが、普段運動しない人なら最初は日常以上の負荷でも効果はあります。

筋肉が増えない=代謝が上がりにくいことが、トレーニング効果を半減させる理由になります。

加圧トレーニングの欠点

2000年代後半に、加圧トレーニングが大ブームになったときも、あえてやらなかった理由があります。

  • 体幹を鍛えられない
  • 特異性の原則に合わないこと

いまでこそ加圧指導者は減っていますが、当時は万能のトレーニングだと言われていたのです。

ジムのスタッフですら、盲目的になってお客様にすすめてましたから。

決して万能なトレーニングなどありません。

もちろん優れた部分もありますが、数あるトレーニングの1つに過ぎません。

体幹を鍛えられない

体幹に加圧ベルトを巻けないので、体幹を鍛えることができません。

これに反証するエビデンスがあって、効果転移が起きるから体幹にも効果があると言うのです。

そもそも体幹の筋肉は小さいので、ムキムキになるほど肥大はしません。

細身のアスリートでも、体幹がしっかりしてる選手はたくさんいますよね。

どちらかというと、動くタイミングが大事。

手足が動くコンマ何秒か先に動くことで、身体を安定させるのです。

腰痛の人はフィードバック現象と言って、手足が動いてから体幹が働くため、身体を安定させることができません。

低負荷で単純な動きしかしないので、神経系のトレーニングにならないことがデメリットの1つと言えます。

スポーツの向上に向かない

筋肉が増えただけでは、動きまでは変わりません。

スポーツ選手は様々なトレーニングをした結果ムキムキになってるだけで、最初からムキムキにするためにトレーニングしてるわけではありません。

たしかに効率よく筋肉は増えるかもしれない。

それだけで動作のトレーニングにはなりません。

トレーニングには、特異性の原則と言うのがあります。

サッカーが上達したければ、サッカーの練習をする。

あたりまえですが、野球の練習をしてもサッカーは上達しません。

ジャンプ力を上げようと思ったら、必要な筋力だけでなく、高く飛ぶための技術練習も必要。

筋肉量だけでスポーツが上達するなら、すべての競技でボディビルダーがトップアスリートになってしまう。

加圧トレーニングを体験してきた

この記事がこたつ記事にならないように、実際に加圧トレーニングを体験してきました。

体験なのでトレーニング時間は数分でしたが、ベルトを巻いて腕立て伏せとスクワットをやりました。

感想は、バーベルでやった方が効率良いな。

「加圧めっちゃいいですよ」

「加圧やらないなんて、どうかしてますよ」

などと担当トレーナーは言ってましたが、自分の考えが変わるまでにはいたりませんでした。

まとめ

加圧トレーニングは唯一無二のトレーニングではないし、代わりのトレーニングもたくさんあります。

身体を変えるなら多角的に捉え、さまざまなアプローチが必要になります。

加圧トレーニングも、その中の1つに過ぎません。

その証拠に私は加圧をやらなくても、若さや体力を維持できてますから。